IS・FS・CS・営業企画——4職種を年収・働き方・将来性で徹底比較

インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス・営業企画の4職種を、年収・リモート率・AI影響度・向いている人の特徴まで網羅的に比較する。自分に合う職種を見つけるための完全ガイド。

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編集部


迷ってていい。でも、これだけは知っておいて。

「IS・FS・CS・営業企画——4つの違いがよくわからない」という声をよく聞く。名前は知っているけど、実態がわかりにくい。

私もISをやってきた立場から、4職種を正直に比べてみる。どれが「正解」ではなく、自分に合うかどうかで選んでほしい。

4職種の仕事内容——まず整理する

インサイドセールス(IS)

一言で言うと: 社内から電話・メール・Web会議でアポを取り、商談につなぐ仕事。

新規顧客開拓のBDR(Business Development Representative)と、マーケティング経由リードを受け取るSDR(Sales Development Representative)に分かれることが多い。フィールドセールスに商談を渡すのがゴールで、受注まで担当しないケースと、IS単体でクロージングまでやるケースがある。

ツール活用(SalesLoft・Outreach・HubSpotなど)と、架電・メール・Webミーティングの組み合わせが業務の中心だ。

フィールドセールス(FS)

一言で言うと: 顧客先に出向いて商談し、受注を獲得する仕事。

ISから受け取った商談、または自分でアポを取った商談を対面・Web会議で進め、最終的な受注を担う。大型商談は複数回の商談・社内調整・提案書作成が必要なため、1案件に数ヶ月かかるケースもある。

受注がKPIの中心であり、インセンティブが受注額・件数に連動する企業が多い。成果が直接報酬に反映される設計だ。

カスタマーサクセス(CS)

一言で言うと: 受注後の顧客が成果を出せるよう、長期的に支援する仕事。

ハイタッチ(大型顧客の個別対応)・ロータッチ(グループ支援・ウェビナー)・テックタッチ(ツールによる自動支援)の3層に分かれる。KPIはチャーン率(解約率)・NRR(売上継続率)・NPS(推奨度)が中心。

受注前の営業とは異なり、顧客との関係を長期にわたって維持・深化させるのが仕事だ。

営業企画

一言で言うと: 営業組織の戦略・体制・プロセスを設計する仕事。

ターゲット市場の設定、IS/FS/CSのKPI設計、SFA整備・活用促進、採用・育成計画、経営へのレポートなどを担う。現場の営業ではなく、「営業組織そのもの」を動かす立場だ。

RevOps(Revenue Operations)はその発展形で、マーケティング・CSまでを含む全収益プロセスを横断的に管理する。

年収比較——正直なデータ

職種平均年収(目安)上限の目安主な報酬構造
IS350〜500万円台(中堅)700万円台固定+インセンティブ(アポ数・商談化率)
FS400〜700万円台1,000万円台(SaaS)固定+インセンティブ(受注額)
CS平均543万円(JACリクルートメント)700〜900万円台固定+チャーン率・NRR連動
営業企画平均847万円(JACリクルートメント)1,000万円台固定(組織成果連動が増加中)

補足として、SaaS企業のFS(AE)は成果連動のインセンティブが大きく、xenoBrain(2024年)データによるとプレイドの全社平均年収は1,040万円。FSの上位パフォーマーが引き上げる構造だ。

また、ISのリモート可能率は75.1%(2022年調査)と高く、テレワーク環境でのキャリア継続がしやすい。IS求人の東京集中率は63%(全国約19,000件中12,000件)で、首都圏に求人が集中している。

働き方の違い——リモート・時間・プレッシャー

項目ISFSCS営業企画
リモート可能率75.1%(2022年)低め(訪問あり)職種による中程度
移動の多さほぼなし多いハイタッチは多い少ない
数字プレッシャー中(アポ・商談化率)高(受注目標)中(チャーン・NRR)低〜中
月末の追い込みある強くある少ない少ない
スケジュール比較的コントロールしやすい顧客都合が多い顧客定例が中心プロジェクト次第

FSは「月末・四半期末の追い込み」がある職種として有名だ。数字を作るために残業・土日対応が発生するケースも珍しくない。

一方ISは、稼働時間と成果の関係がより管理しやすく、リモートワークと組み合わせやすい。子育てや副業との両立を考えるなら、ISは現実的な選択肢になる。

AI影響度比較——どの職種がAIに代替されやすいか

AI時代のキャリアを考えるうえで、職種ごとのAI影響度は把握しておくべきだ。

職種AI影響度代替されやすい業務残る業務
IS高め架電リスト作成・初期メール・スクリプト生成関係構築・複雑な質問対応・戦略判断
FS低め提案書ドラフト・議事録・CRM入力経営層交渉・複雑商談・関係性維持
CS(テックタッチ)高いチュートリアル・メールフォロー・FAQ仕組み設計・分析判断
CS(ハイタッチ)低めレポート生成・ログ分析顧客の組織変革支援・信頼構築
営業企画低めレポート集計・KPIモニタリング戦略立案・組織を動かすコミュニケーション

Salesforce調査によると、営業担当者の72%が非営業業務に時間を使っている。この部分(データ入力・資料作成・会議調整)がAIに代替されていく。

ISは架電業務の一部がAI音声エージェントに置き換わる試みが進んでいるが、顧客との信頼構築・複雑な課題対話は残る。FSの経営層折衝・大型商談は当面AIに代替しにくい。

向いている人の特徴——職種別チェック

ISに向いている人

  • 断られてもめげず、改善を繰り返せる
  • データを見ながら仮説を立てられる
  • 架電・メール・Web会議のコミュニケーションが苦にならない
  • リモートワークで自己管理できる

FSに向いている人

  • 対面での関係構築が強み
  • 大きな成果(大型受注)にやりがいを感じる
  • 高いインセンティブに向かってモチベーションが上がる
  • 月末の追い込みを楽しめる(or 耐えられる)

CSに向いている人

  • 人の成長・成功を支援することに喜びを感じる
  • 長期的な関係を大切にできる
  • 顧客の課題を深く理解する忍耐力がある
  • 受注よりも「使い続けてもらう」ことにこだわれる

営業企画に向いている人

  • 現場経験を活かして「仕組みを作りたい」と思っている
  • データを集計・分析して戦略に変換できる
  • 多数の関係者を動かすコミュニケーション力がある
  • 短期成果より中長期の組織改善に価値を感じる

自分に合う職種の選び方——3つの問い

最後に、具体的な選び方を伝える。

問い1: 「受注」と「継続」、どちらにやりがいを感じるか

新しい顧客を獲得することに燃えるタイプはIS→FS。顧客が成果を出す過程を伴走したいタイプはCS向きだ。

問い2: 数字で攻めるのと、仕組みで攻めるのとどちらが好きか

「自分の数字を上げる」ことにこだわるならIS・FS。「組織全体の数字を上げる仕組みを作る」ことに興味があれば営業企画。

問い3: 今の自分のスキルの棚卸し

架電・提案・関係構築が得意 → IS・FS方向。データ分析・資料作成・プロセス設計が得意 → 営業企画方向。顧客対応・課題解決・長期関係が得意 → CS方向。


迷うのは当然だ。4職種のどれが「正解」ということはない。

ただ、迷ったまま現職に留まり続けるのが一番もったいない。「自分はどちらかといえばこっちかな」というレベルで動き始めれば、そこから情報が集まり始める。

参考文献・出典

  • JACリクルートメント「カスタマーサクセス・営業企画 職種別平均年収データ」
  • パーソルキャリア「インサイドセールス求人動向レポート 2022年」(IS求人数・東京集中率・テレワーク可能率)
  • Salesforce「State of Sales Report」(営業担当の72%が非営業業務に時間)
  • xenoBrain「SaaS企業年収ランキング 2024年版」
  • HubSpot「State of Revenue Operations 2023」(RevOps米国導入率67.5%)

よくある質問

QIS・FS・CS・営業企画の中でどれが一番年収が高いですか?
平均年収では営業企画(847万円、JACリクルートメント)が最も高い傾向があります。ただしSaaS企業の上位FSや成果連動型CSでは、実績次第で800〜1,000万円台も可能です。职种より所属する会社の規模・成長フェーズ・評価制度の方が年収への影響が大きいです。
Q未経験から転職しやすいのはどの職種ですか?
ISが入りやすいとされています。架電・メールを中心とした業務であり、コミュニケーション力と学習意欲があれば未経験でも採用されやすい。CSは顧客対応経験があると有利。FSと営業企画は実務経験が求められることが多いです。
Q子育て中でも続けやすい職種はどれですか?
ISがリモート可能率75.1%(2022年)と最も高く、フレックス制を組み合わせやすい環境が整っています。CSのテックタッチ担当もリモート親和性が高いです。FSは訪問業務があるため、子育てとの両立に工夫が必要なケースが多いです。
Q将来的にRevOpsを目指したい場合、どの職種から入るべきですか?
営業企画またはCSを経験してからRevOpsに進むルートが現実的です。ISで数字の管理・SFAの活用を身につけ、その後営業企画でプロセス設計に入るルートも有効です。いずれにせよ、SFAやBI等のデータツールへの慣れが前提になります。

マイ

29歳

インサイドセールス

文系・非IT出身でCSからISに転職。迷いながら動いて気づいたことを、等身大で伝える。